2025年度 明治大学 全学部統一入試の英語の傾向と対策

目次

TL;DR(結論)

2025年度の明治大学 全学部統一入試の英語の試験は60分で43問・全19ページという設計で、最大の壁は、何よりも時間制限の厳しさです。限られた時間の中で本文を読み進めつつ設問を処理しなければならず、「読み切る体力とスピード」が問われます。

設問形式は、内容説明・語義選択・並べ替え・文挿入・内容一致・空所補充など幅広く、レベルの高い内容一致問題も含まれるため、テクニック頼みでは通用しません。本文を正確に読めなければ得点は伸びず、総じてレベルは高め。文法力と読解力を組み合わせて素早く設問を処理し、時間内にどれだけ多くの問題を解けるかが合格への鍵になります。

単純な知識だけで直感的に解ける設問は少ないため、語彙力の不足はそのまま時間の浪費につながります。語義選択は文脈で当たりをつけられる問題も多いものの、時間短縮のためにはある程度レベルの高い単語を覚えておくことが望ましいです。

最後に強調すべきは、全科目で合格点を積み重ねることの重要性です。世間に出回る「合格最低点」に振り回されるのではなく、各科目で安定して得点する戦略を立て、合格ラインを超えることが求められます。大学受験は満点を取る試験でもなければ、英語だけの点数を競うものでもありません。合格点を取るために、できることを着実に積み重ねていきましょう。

第1問

テーマ

  • AIが若者の音楽聴取習慣をどのように変えているか
  • ラジオ/ウォークマン/iPod/スマホといった歴史的変化から始まり、
  • AIとSNSによるプレイリスト推薦、個人化の利点と懸念、文化的多様性の影響にまで話が及ぶ。

出典

  • “How AI is Shaping the Music Listening Habits of Gen Z” by Beatriz Ilari & Lynne Snyder
    The Conversation, 2024年公開記事

おおまかな文字数

  • 約800語前後(全段落合計)

問1(1〜6)文法・語法選択

  • 狙い:論理マーカーや語法の精度、-ed/-ing分詞、慣用句(on their own)の正確な把握。
  • コメント
    • (1) But/Despite/Moreover/Therefore → 前文との論理関係を瞬時に判断。接続詞の正しい用法を理解していないと誤答しやすい。
    • (2) even more so のような慣用表現の丸暗記がカギ。
    • (3) after/until/since/while → 文脈に合わせた時制・継続性の理解が必要。
    • (4) connecting/manipulating/entertaining/motivating → AIの動作を正しく捉えられるか。-ingの意味の差を精査。
    • (5) Expose/Exposed/Exposing/To expose → 分詞構文の基本ルール。主語との関係を見抜けるか。
    • (6) on his own/on their own など → 慣用表現を知っているか否かで明暗が分かれる。

👉 「知識問題」に見えて、実際には文脈読解力+語法知識を問う。単純暗記で片づかない。


問2(7〜12)語義選択

  • 狙い:抽象的語彙のパラフレーズ理解。
  • コメント
    • (7) elicit = provoke(感情を引き出す)
    • (8) tracks = monitors(活動を追跡する)
    • (9) populated with = filled with(満たされている)
    • (10) repertoire = collection(レパートリー)
    • (11) recognizable = identifiable(認識できる)
    • (12) dull = boring(退屈な)
  • 全体の特徴:語彙力勝負。ただし文脈から推測可能なものも多い(repertoire, recognizable など)。
  • 注意:選択肢は一見似た意味(efficient, provoke など)を並べてあるため、精度のある英英的な理解が必要。

語義選択(7〜12)語彙レベル分析

(7) elicit

  • 意味:〈反応・感情などを〉引き出す
  • レベル感:英検準1級〜1級、TOEFL iBT 80〜90程度
  • コメント:高校標準では rarely。大学受験上級〜海外試験で頻出。

(8) tracks(文脈=AI tracks the activity)

  • 意味:追跡する、モニターする
  • レベル感:英検2級〜準1級、TOEFL 60程度
  • コメント:「track record」「keep track of」などで触れる機会はある。知識があれば易問

(9) populated with

  • 意味:〜で満たされている、住んでいる
  • レベル感:準1級、TOEFL 70程度
  • コメント:population(人口)から連想できる。語形成を理解していれば推測可能。

(10) repertoire

  • 意味:レパートリー、持ちネタ、習熟済みの技能集
  • レベル感:1級クラス、TOEFL 90〜100程度
  • コメント:音楽・芸術系の背景語彙。文脈「広く共有されたrepertoire of musical knowledge」から「collection」を推測できるかがポイント。

(11) recognizable

  • 意味:認識できる、見分けられる
  • レベル感:準2級〜2級程度、TOEFL 40〜50
  • コメント:基幹語「recognize」から派生。

(12) dull

  • 意味:退屈な、つまらない
  • レベル感:英検2級レベル、TOEFL 40程度
  • コメント:基礎語。反対語(exciting)が選択肢にあるため、落としたくない問題

総合コメント

  • 高難度語彙:elicit, repertoire(準1〜1級クラス)
  • 中堅語彙:populated with, tracks(準1級〜2級)
  • 基礎語彙:recognizable, dull(2級レベル)
  • 特徴
    • 難しい語を混ぜつつ、必答の基礎語も配置。
    • 「全部難しい」わけではなく、語彙力の層の厚さをチェックする構成。
    • 難語は文脈推測で、基礎語は確実に正答することが要求される。

問3(13〜15)語句並べ替え

  • 狙い:語順・構文感覚。
  • コメント
    • (13) whether it’s while doing homework
    • (14) what a user wants to hear
    • (15) with its accompanying cultural traditions
  • 全体の特徴:部分的な語順ミスを誘発する仕掛け。文構造の見取り図が描けるかがカギ。
    この問題の(13)(15)はChat GPTが解答を間違えていたため、そこからも難度の高さがわかる

問4(16)文挿入

  • 狙い:論理の流れの把握。
  • コメント
    • 挿入文「AI-generated playlists have disrupted this …」が指す“this”がどの状況かを突き止める。
    • 前後の「従来のゲートキーパー」や「音楽の多様性」などと論理的に接続させる必要がある。
  • 全体の特徴:本文理解+代名詞解釈が決め手。単なるキーワード一致では解けない。

問5(17,18)内容一致

  • 狙い:本文内容の正確な読解。
  • コメント:他の選択肢は「もっともらしいが本文には書いていない」タイプ。細かい読解力を試す。

総評(〔I〕の全体像)

  • 設問形式の多様さ:文法語法・語義選択・並べ替え・文挿入・内容一致まで揃っており、単純暗記やテクニック頼みでは突破できない。本文理解がベースになっている。
  • 難度の高さ
    • 知識系(問1,2)は見た目ほど易しくなく、文脈と結びつけないと誤答。
    • 並べ替え(問3)・文挿入(問4)は構文処理力と論理把握が試される。
    • 内容一致(問5)は「本文に書いてあるかどうか」を正確に見極める力が必要。
  • 時間の消耗:特に語義選択と文挿入が時間を奪いやすい。試験全体60分では「どこで得点を稼ぎ、どこを流すか」の戦略が重要。
  • 全体評価:〔I〕は「速読+精読+語法知識」の総合テスト。得点源は内容一致(17,18)と語法(1〜6)。一方、語義選択や並べ替えはミスが出やすく、差がつくポイント
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