what+名詞の考え方
疑問形容詞・関係形容詞・複合関係形容詞をまとめて理解する
英語の what や which は、単独で使われることもありますが、後ろに名詞(SやOにならない)をともなって使われることもあります。
たとえば、次のような形です。
What book do you want to read?
あなたはどんな本を読みたいですか。
この what book では、what が名詞 book を限定しています。
ふつう形容詞は名詞を修飾します。
an interesting book
おもしろい本
この表現では、interesting が book を限定しています。
同じように、
what book
では、what が book を限定しています。
つまり、what+名詞 は、「どんな名詞か」「何の名詞か」をたずねたり、示したりする形です。
ただし、見方を少し変えると、後ろの名詞が what の範囲を具体化しているとも考えられます。
What do you want?
あなたは何がほしいですか。
この文では、what だけなので、「何がほしいのか」はまだ広く、ぼんやりしています。
一方で、
What book do you want?
あなたはどんな本がほしいですか。
となると、質問の範囲が book にしぼられます。
この意味で、what は後ろの名詞を限定し、後ろの名詞は what の範囲を具体化すると考えると、what+名詞の形が理解しやすくなります。
1. 疑問形容詞の what
まず、疑問文で使われる what+名詞 を見てみましょう。
What subject do you like?
あなたはどんな科目が好きですか。
この文では、what が subject を限定しています。
単に「何が好きですか」と聞いているのではなく、「どんな科目が好きですか」と、質問の範囲を subject にしぼっています。
このように、名詞の前に置かれて「どんな〜」「何の〜」とたずねる what を 疑問形容詞 と呼びます。
例文
What color do you like?
あなたは何色が好きですか。
What time does the class start?
授業は何時に始まりますか。
What kind of music do you listen to?
あなたはどんな種類の音楽を聞きますか。
どれも what+名詞 の形になっています。
- what color:何色
- what time:何時
- what kind:どんな種類
この what は、単独で「何」と働いているのではありません。
後ろの名詞を限定し、「何についてたずねているのか」をはっきりさせています。
2. 関係形容詞の what
次に、少し発展的な 関係形容詞の what を見てみましょう。
関係形容詞の what は、後ろに名詞をともなって、名詞節を作ります。
代表的なのは次のような形です。
I gave him what little money I had.
私は持っていたわずかなお金を彼にあげた。
この what little money I had は、「私が持っていたわずかなお金」という意味です。
ただし、単なる
the money which I had
私が持っていたお金
とは少し違います。
what little money I had には、「多くはないが、持っていた分のすべて」というニュアンスがあります。
つまり、
what little money I had
私が持っていたわずかなお金
私が持っていたわずかなお金のすべて
という感じです。
関係形容詞 what のポイント
関係形容詞の what は、次のように考えるとわかりやすいです。
what+名詞+S+V
SがVするだけの〜
SがVできる限りの〜
Sが持っているだけの〜
例を見てみましょう。
I used what little time I had.
私は持っていたわずかな時間を使った。
この文では、what little time I had がひとまとまりで、「私にあったわずかな時間」という意味です。
ここでも what は time を限定しています。
ただし、疑問文ではありません。
「どんな時間ですか」と聞いているのではなく、「私が持っていたわずかな時間」という名詞のまとまりを作っています。
関係形容詞 what はやや限られた用法
関係形容詞の what は、疑問形容詞の what に比べると、使われる形がやや限られています。
特によく見られるのは、次のような表現です。
what little money I had
私が持っていたわずかなお金
what little time I had
私が持っていたわずかな時間
what help I could give
私が与えられるだけの援助
what information I could get
私が得られるだけの情報
このように、関係形容詞の what は、「少ないながらもあるもの」「できる限りのもの」を表す文脈でよく使われます。
疑問形容詞 what との違い
疑問形容詞の what は、疑問文で「どんな〜」「何の〜」とたずねます。
What book did you buy?
あなたはどんな本を買いましたか。
一方、関係形容詞の what は、疑問ではなく、名詞節を作ります。
I used what little money I had.
私は持っていたわずかなお金を使った。
形は似ていますが、働きが違います。
| 種類 | 例 | 意味 |
|---|---|---|
| 疑問形容詞 | What book did you buy? | どんな本を買いましたか。 |
| 関係形容詞 | I used what little money I had. | 持っていたわずかなお金を使った。 |
疑問形容詞の what は「質問する what」です。
関係形容詞の what は「名詞のまとまりを作る what」です。
3. 複合関係形容詞 whatever
最後に、複合関係形容詞 を見てみましょう。
複合関係形容詞とは、簡単に言えば、
whatever+名詞
の形です。
whatever は what に -ever がついた形です。
意味は文脈によって、
- どんな〜でも
- どんな〜であれ
- どんな〜を…しても
のようになります。
whatever+名詞
例文を見てみましょう。
You may read whatever book you like.
好きなどんな本を読んでもよい。
この whatever book you like は、「あなたが好きな本ならどんな本でも」という意味です。
ここでも whatever は book を限定しています。
whatever book
どんな本でも
という形です。
なお、1冊を選ぶ場面では whatever book、複数の本を自由に選んでよい場面では whatever books も使えます。
whatever は「範囲を広げる」
what+名詞 は、「どんな〜」とたずねる形でした。
What book do you like?
あなたはどんな本が好きですか。
それに対して、whatever+名詞 は、「どんな〜でも」と範囲を広げます。
You can choose whatever book you like.
好きなどんな本でも選んでよい。
つまり、whatever は「どれでもよい」「どんなものでもよい」と、選択を広く認める表現です。
4. what と which / whatever と whichever の違い
ここで、関連表現として what と which、whatever と whichever の違いも整理しておきます。
what と which の違い
よく問題になるのが、what+名詞 と which+名詞 の違いです。
どちらも「どの〜」「どんな〜」と訳せることがあります。
What book do you want to read?
どんな本を読みたいですか。
Which book do you want to read?
どの本を読みたいですか。
日本語にすると似ていますが、英語では発想が少し違います。
what は「範囲が決まっていない」
what は、基本的に選択肢の範囲がはっきり決まっていないときに使います。
What book do you want to read?
どんな本を読みたいですか。
この場合、目の前に本が何冊か並んでいるとは限りません。
「小説なのか、参考書なのか、歴史の本なのか」のように、広い範囲からたずねている感じです。
つまり、what+名詞 は「どんな種類の〜」「何の〜」という発想になりやすいです。
which は「範囲が決まっている」
一方、which は、選択肢の範囲がある程度決まっているときに使います。
Which book do you want to read?
どの本を読みたいですか。
たとえば、机の上に3冊の本がある場面です。
その中から「どの本?」と聞いています。
つまり、which+名詞 は、「決まった範囲の中でどれか」をたずねる表現です。
what と which の比較
| 表現 | 基本イメージ | 例 |
|---|---|---|
| what+名詞 | 範囲が広い/決まっていない | What subject do you like? |
| which+名詞 | 範囲が決まっている | Which subject do you like better, English or math? |
たとえば、次の2文を比べてみましょう。
What sport do you like?
あなたはどんなスポーツが好きですか。
これは、スポーツ全体から広く聞いています。
一方で、
Which sport do you like better, soccer or tennis?
サッカーとテニスでは、どちらのスポーツがより好きですか。
これは、soccer or tennis という限られた選択肢の中から聞いています。
この違いが、what と which の基本です。
whatever と whichever の違い
whatever と whichever の違いも、what と which の違いと同じです。
| 表現 | 基本イメージ |
|---|---|
| whatever+名詞 | 範囲が決まっていない中で、どんな〜でも |
| whichever+名詞 | 決まった範囲の中で、どの〜でも |
例文で比べてみましょう。
You can choose whatever book you like.
好きなどんな本でも選んでよい。
これは、範囲が広い表現です。
本の種類や冊数は特に限定されていません。
一方で、
You can choose whichever book you like from these three.
この3冊の中から好きな本をどれでも選んでよい。
こちらは、from these three とあるので、選択肢が3冊に限定されています。
そのため、whichever book が自然です。
5. what を中心に整理する
ここまでを、what を中心に整理してみましょう。
1. 疑問形容詞 what
疑問形容詞の what は、「どんな〜」「何の〜」とたずねます。
What movie did you watch?
あなたはどんな映画を見ましたか。
この what は、後ろの movie を限定しています。
2. 関係形容詞 what
関係形容詞の what は、「〜するだけの」「〜できる限りの」という意味を含む名詞節を作ります。
I gave her what help I could.
私はできる限りの援助を彼女にした。
この what help I could は、「私ができる援助だけ全部」「できる限りの援助」という意味です。
3. 複合関係形容詞 whatever
複合関係形容詞の whatever は、「どんな〜でも」という意味を表します。
Take whatever seat you like.
好きな席に座ってよい。
この whatever seat you like は、「あなたが好きな席ならどれでも」という意味です。
what+名詞の考え方
what+名詞 を見るときは、まず次のように考えるとよいです。
what は、後ろの名詞を限定する。
たとえば、
what book
なら、「何」だけではなく、「本」という範囲に限定されています。
what color
なら、「色」という範囲に限定されています。
what time
なら、「時刻」という範囲に限定されています。
つまり、what は単独でぼんやり「何」と言っているのではありません。
後ろの名詞と組み合わさることで、
- どんな種類の名詞か
- どのような名詞か
- 何の名詞か
を示しています。
この意味で、what+名詞 は「名詞を限定する what」と考えるのが基本です。
ただし、見方を変えると、後ろの名詞が what の範囲をしぼっているとも言えます。
What do you want?
何がほしいですか。
よりも、
What book do you want?
どんな本がほしいですか。
のほうが、質問の範囲は狭くなっています。
このように、what が名詞を限定し、名詞が what の範囲を具体化すると考えると、what+名詞の形がつかみやすくなります。
まとめ
what+名詞 は、what が名詞を限定する形です。
疑問文で使えば、疑問形容詞 になります。
What subject do you like?
どんな科目が好きですか。
名詞節を作れば、関係形容詞 になります。
I did what work I could.
私はできるだけの仕事をした。
whatever+名詞 になれば、複合関係形容詞 になります。
You may ask whatever question you like.
好きなどんな質問をしてもよい。
また、what は範囲が決まっていないとき、which は範囲が決まっているときに使うのが基本です。
What book do you want to read?
どんな本を読みたいですか。
Which book do you want to read, this one or that one?
この本とあの本では、どちらを読みたいですか。
what の核心は、単に「何」と訳すことではありません。
後ろの名詞と結びついて、その名詞の種類・内容・範囲を問題にするところにあります。
この視点を持っておくと、疑問形容詞、関係形容詞、複合関係形容詞の what をまとめて理解しやすくなります。

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